ネクラはつらいよ

 こんばんは。今年こそは、とか目標や絵空事にすぎないことを思い浮かべる一月って嫌いではない。手帳も新しくなって、真新しい質感の紙にインクを滲ませるのも悪くない気がする。そうそう、僕の手帳は一月始まりなのだ。仕事で使うなら四月始まりのが使いやすいのだろうが、僕は今の手帳が気に入っているので手帳に合わせて書く行為を楽しんでいる。ノートや手帳なんかは新品でもそうでなくても書き心地は変わるはずがないのだが、なんとなく真新しい紙にインクを落とす行為は新鮮で楽しい。真新しい紙に年を越した新鮮な気持ちで目標なんか書いてみたり、こういう時は日本人なんだな、と思う。
 先日、妻が万年筆デビューした。きっかけは、ひょんなことだった。僕が万年筆で書く欲に駆られ新たなノートを求めに文房具店に立ち寄った時のことだ。そのお店は事務用品を中心に、ペン、ノート、万年筆など様々な文房具が所狭しと陳列されている。文具好きには、さながら大人のハローマックといった風情だろう。会話の中で、何かの弾みで言っただけなんだろう。「万年筆に興味あるんだよねえ。」と言ったことは、僕にとっては嬉しくもあり少し驚くべきことだった。「はじめての万年筆は買ってもらったほうがいい。」と思うのは僕の変な癖だろうか。ものにはきっと魂が宿るから、貰い物の方が思い出も残るし大切にするだろうから。
 さて、はじめての万年筆選びの開始だ。妻の懸念は筆圧が強いこと。万年筆というのはペン先へのインクの毛細血管現象でインクが伝わるのであまり筆圧が必要とならない。高級万年筆で使われる金ペンなんかはあまりにも筆圧が強いとペン先が開いてしまって故障の原因にもなるケースがある。日本で万年筆が多く普及したのは筆を使用していたことも関係するのだろうか。そういう、心配の種もあるので最初はエントリーモデルの鉄ペンがふさわしいと思う。ガシガシと使うこともできて、かつ万年筆特有のヌラヌラとした感触も楽しめる。
 店先にあるサンプルを使っていろいろなペン先を試してみる。擦れる試供品もあるので閉口したが、何となく好みのペン先を見つけたようだ。試すうちに気がついたのは、ある程度は細めのが好みらしい。ある程度細めというのは曲者で、こればかりは試してみないことには感覚が掴み辛いものだ。その情報を得て、国産のペン先のが気に入るのではないかと思った。厳選した結果セーラーのMF(中細)にした。国産の特徴なのか、セーラーの特徴なのか中細といってもドイツメーカーのそれと比べると結構細い。さすが、国産メーカーの気概を感じる。モデルはプロフィットジュニアのクリアにした。コンバーターをつけて、好みのインクを入れたら洒落ている。僕自身、次に万年筆を買うときはクリアにしようと思っていたので、その嗜好をそれとなく勧めた。
 

そうそう、今日の日記から記事作成も含めて縦書きでやってみることにした。PC版は縦書きのデザインを導入した。

縦書き、横書きもどちらも面白いし奥ゆかしい。それぞれの様式で言葉の選び方が違う気がする。飽きるまではしばらく、縦書きをやってみようと思う。