続 ネクラはつらいよ

 先日、久々に書いた日記で妻の万年筆デビューについて少し触れてみた。デザイン、ペン先は決めることができた。次にきめるべきこと、それはインクだ。

 

rodomaru95.hatenablog.com

 

 インクひとつ選ぶことも実に難しい。選ぶ時の気分や季節に影響されがちだ。とりわけ、初めての万年筆となったら何を選ぶべきか躊躇うものだ。少なくとも僕はそうだった。しかし、その戸惑いも楽しめるのが趣味というものだろうか。棚の端から端まで眺めて、悩みに悩みを重ねていても苦にならなかった。まず、好みのインクを入れるためにインバーターを別途購入することにした。セーラーのコンバーターは吸入ノブ(ねじみたいな部分)が何色か選ぶことができるので、青系のインクを入れたら映えるのではないかと思い、黄色のノブのコンバーターを選んだ。黄と青の組み合わせだと、スウェーデン国旗みたいでかっこいいな、と思っていたのは言うまでもない。 さて、いよいよインク選びだ。やはり、万年筆特有の濃淡も楽しめて清らかな色といったら青系だろうか。やはり、青色インクというのは独特な魅力がある。

 


 その前に僕が持っているインクのおさらいである。これによって、今回選ぶ色への影響が少なからずあるからだ。現在、使用している万年筆三本に対し三色のインクを持っている。すべてパイロット社の「色雫」というシリーズのインクだ。日本の情景に関連したインクを世に送り出している。これがまた美しいボトルと題名なのである。このシリーズをいろいろと試したくて複数の万年筆を使用しているといっても過言ではないかもしれない。ブルーブラックに近いが確かに言われてみればこの名前が一番しっくりくる「月夜」。エメラルドグリーンのような「孔雀」。あとは「竹林」といった按配だ。つまり、これらと被らず、かつ自分の好みにあったインク選びをするという繊細な行為をしなければならないのだ。

 

 ただ、存外自分の好みのものというのはあっさり見つかってしまうことがある。これは、趣味を始めるときにありがちなのだが不思議としっくりくるようなアイテムとの出会いがあるものだ。そういう時の趣味は幸先がいい。同シリーズの淡いブルーの「露草」というインクを購入した。

 

 購入して以来、「何でもノート」にメモやらいろいろとペン先を走らせているそうな。楽しんでいるみたいで嬉しい。