新 ネクラはつらいよ


今日は大雪だった。

 

 

 県内の一部地域では積雪量が二月の観測史上記録を超えたというニュースを耳にした。一日中非常に風も強く雪がドカドカと降っていた。ずっとホワイトアウトの状態に陥り、視界不良のために帰り道は普段の三倍ほど時間を要し閉口した。
 また、風が強いのは殊更と体に応える。年々、寒さに対する耐性が失われているような気がする。少しの時間だが、除雪のために外にいるだけでも骨身に染みる。こんな冷え切った体を温めてくれるものはなんだろうか。熱燗を「クイッ」といっぱいやるのもいいがそれだけでは物足りない。(どちらかというと冷酒のが好きだ)

、、、、最近楽しみにしていること、それは風呂だ。

 

 


先日から自宅のお風呂の設定温度を四十度から四十二度へ設定変更した。

以前の設定温度でも過不足はなかったのだが芯まで温まるには時間を要した。かつて江戸っ子の長風呂は無粋とされていたらしい。背景にあるのは、江戸時代は公衆浴場で風呂に入る習慣があったので、熱めの風呂にサッと入って回転率を上げる意図があったのだろう。現実的な理由はそんなところだろうが、そこは武士は食わねど高楊枝である。

 

 お風呂に入るのも流儀がある。それは、温泉や銭湯だけではない。自宅の風呂に然り、だ。確かにコロナの影響もあって久しく公共浴場にはいっていない。確かに、公衆浴場などは広々とした浴槽や露天風呂、サウナなど枚挙にいとまがないほど充実したユーティリティを兼ね備えている。しかしながら、自宅の風呂で心の底からリラックスして浴槽に浸かるのも悪くないものだ。むしろ自宅こそ誰かの視線や気配を感じないだけ気兼ねなく楽しめるというもの。これぞまさに箱庭といった風情である。まさに日本人が享有している精神の一つである。

 

 

 まず体を洗い、浴槽に浸かる。温まりきったら、顔や髪を洗う。体の火照りがあるなら、クールダウンする。水風呂なり水をかぶったのち、浴槽に浸かるとまたフレッシュな状態でただただ気持ちよさを享受できる。その度合いは四十二度のが気持ちいい気がする。この一連の流れは自宅でも公衆浴場でも同様だ。サウナに入ってもこの流れが最も好きだ。クールダウンした身体に暑い湯ががパチパチと染みる。そんな感覚を楽しんでいる。

 

 


 週末はカラカラになった喉をビールが潤すこともあるかもしれない。身体の中も外も熱くなったところにキンキンに冷えたビールを流し込む。これ以上の至福の時間はあるだろうか?自宅だとそれが気兼ねなく達成できる。

 

なんと素晴らしいことだろうか。