【ダム探訪記】鳴子ダム(宮城県大崎市)
こんばんは。
ダム熱に侵されてしまったので、今日もダム紹介です。
DAMデータ
□ダム:鳴子ダム
□型式:アーチ式コンクリートダム
□ゲート構造:ローラーゲート×2門
フィックストコーンバルブ×1門
□使用目的:FAP【F:洪水調整 A:灌漑用水 P:発電】
紹介
着工が1952年と古いダムです。
複雑なカルデラ地形のかの地に
戦後、日本技術者だけで設計、建設された初の本格的100m級アーチダムです。
その功績を認められて2016年に土木遺産に認定されました。
日本の土木技術は世界一ィィ!!
また、ダムとしては常用洪水吐を設けずにダム堤頂部に自然越流方式の門を備える。
例年5月GWにこの洪水吐からの美しい越流だ見られる。
なお、その時期はアーチ部分に鯉のぼりが設置される。
構造について
①コンクリートダム
②フィルダム
【アースダム】
【ロックフィルダム】水瀬ダム
③その他
【バットレスダム】
【コンバインダム】
【台形CSGダム】
うすい弓形状でアーチが美しいダム。
いわゆるダムというとこの形を連想する方も多いのではないでしょうか。
日本で一番有名な黒部ダム(黒四ダム)もこの型式です。
この曲線美!ダム界の花形形状であることは認めざるをえません。
実際、ダム界でもファンがおおいことは事実ですし。
しかしながら、近年はこのダム型式が建設されることは滅多にありません。
このアーチ型にするメリットは、コンクリート使用量を抑えられることにあります。
なぜ、使用量を抑える必要があるのか?
昔は人件費<コンクリート価格 という構造だったため
建築費節約のためこの型式を採用するケースが多かったとされています。
現在は上述の構造が逆転されているので、この複雑形状かつ施工難易度が高いこのダム型式を建造することはまずありません。
また、アーチをかける両岸が好条件の地盤を有していることも建造条件のひとつなので
このふたつの理由から新規建造はそうそう無いものと思われます。
感想
山間の道路の鳴子温泉郷にむかう道すがら
鳴子ダム駐車場の看板があります。
駐車場からあるいて1ー2分くらいのところから、”それ”は見えます。
徐々に全容が明らかになっていく体験は、ワクワク以外の何者でもありません。
大自然の静寂の中にただずむ”動と静”を持ち合わせたもの
日本映画のヒーローGODZILLAと見まごう迫力と美しさを持っています。
ゴジラや怪獣がダムを壊したくなる気持ちはわかりかねますが、
その怪獣たちの巨大さ、荘厳、パワーはダムのそれに似ているような気がします。
普段はこれほどにまでに穏やかなダムも一度の大雨、災害、雪溶けなどで
動き始める様相は大艦巨砲主義というか
なにかを拝むのと似たような気持ちにならざるを得ません。
これほどまでに、巨大で美しいものを人間がつくったというから驚きです。
このパワーはぜひ、実物をご覧になっていただきたいと思います。
ではでは。
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